2015年10月31日土曜日

進学校では進級できずに留年することがさして珍しくはない

 もっと知られていないことは進級制度の厳しさだ。つまり落第が思った以上に多いのだ。特に早稲田、慶應系の中高ではそれが顕著。 内部進学率の高い付属校のなかでも、早稲田・慶應系(早稲田中高をのぞいて)は、9割以上が併設大学に進学する。保護者のみなさんにとってはこれは相当な魅力となるが、「あくまでも『高校3年になれたとしたら』9割なんですよ」 早稲田、慶應系は学年の進級が厳しい。たとえば、慶應義塾普通部から慶應義塾高校 、もしくは早稲田大学高等学院 の中学部から高等学院に進学したとしよう。その際に、新しいクラスを見渡すと、「あれ、先輩の○○さんと△△さんがいる!」というようなことがある。つまり、先輩が進級できずに留年することがさして珍しくはない。  とくに男子は、留年をそう気にしないケースも少なくなく、中にはその後、もう1年留年し「20歳で大学に進学できました」という剛の者もいる。概して女子は男子に比べると留年は少ないようだが、もし留年となってしまったら、男子と違いそのことを大いに気にして転校するケースも見られる。また、高校だけではなく、義務教育期間である中学段階でも、高校ほどではないが留年はある。 「警告ランプ」は進学校ほど頻繁に点滅しない  当然、付属でなくても、併設大学のない進学校でも学業を怠っていると留年はありえる。ただ、進学校における留年の話はそれほど多くはない。というのも、進学校は格段に学習に対する学校からの声かけが多いからだ。  「このままだと大変なことになるから勉強したほうがいいよ」という「警告ランプ」が点滅しやすいのは進学校だ(当然ちゃんとやっていればランプは点滅しない)。ざっくり言うと「付属色の強い大学系校:進学校」で1:5くらいの比率だろうか。言い方を変えると付属校だと、「まもなく留年です」「はい、留年です」と2段階くらいだということだ。保護者としては「ゆったりさせる」ために付属に入れていたのだから、この進級の厳しさには相当驚かされることになる。  進学校だと、「まもなく~」と最後通告の「はい~」の間に、「頑張らないと大変なことになりますよ」「本当にまずいですよ」「本当に本当にまずいですよ」と3回くらいの注意喚起なり、何らかの救済措置があるのだが、付属校だと、いきなり最後通告になるということである(まあたとえですが)。だからこそ、付属色の強い大学系の学校に進学する際は、「ゆったりする」という幻想は捨てていただきたい